2011年5月27日金曜日

ThinkPad T520 フルHD液晶モデル


最終更新:2011年09月30日(VAIO SEまでを含めた比較評価)

(ThinkPadというブランドは、他に比べてかなり異色の存在です。
  このブランドについてまとめておきましたので、
  まだご覧になってない方は先にコチラをお読み下さい。)

性能〔最小構成がCore i3-2310M。NVIDIAグラフィックス選択可。〕

連続高負荷にも耐える排熱・静音性

快適な作業性
  (目の疲れ難さと一覧性を両立させた液晶、優れた入力装置)

拡張性(後述)

などからしてこのT520 フルHD(15.6型)は、
デスクトップ代替が勤まる最小・最軽量ノートです。

(VAIO S(SE、15.5型)やレッツノート B10(15.6型)はT520より軽いですが、
  SEはに、B10はに問題があります。詳細は以下に記述します。

  動画エンコードをとにかく早く終わらせたいとか、
  主に3Dゲームといった用途でお探しなら、タワー型PCをどうぞ。)

T520は国内メーカー製ノートと違って、
15.6型でも日々の持ち運びに耐えうる堅牢設計になってますし、〔セミラグド〕
4セルバッテリ+ウェイトセーバ構成なら2.5kg程度ですから、
自家用車での持ち運びなら何ら問題ないでしょう。

画面での表示サイズですが、
初期設定では文字サイズが「大きめ」になってますから、
一覧性重視なら「普通」に戻す必要があります。

「普通」でも、老眼の方以外がキーボードに手を置いて使う限り
数時間で慣れるでしょう。〔ドットピッチ0.18ミリ〕

液晶は非光沢なので、輝度抑えて使用する事で目の疲れを防げます
しかしギラツキが殆どありませんから多少輝度が高くても疲れませんし、
そうする事で表示サイズの小ささですらカバー出来るのが圧巻です。

T520 フルHDの様な広色域液晶は、印刷用途の写真編集を目的としたもので、
LEDバックライトですから経年劣化も最小限と思われます。
海外製ノートに有りがちな品質のバラツキとも無縁です。〔シングルベンダ〕

広色域パネルは被写体を「実物以上に」鮮やかに表現しますし、
景色主体の映像なら動画にも迫力が出ます。

しかしWEBページなんかは訪問者の大部分が普通色域の液晶で閲覧する訳ですから、
ページ作成には外付モニタの併用をお勧めします。

肌色主体の動画でも、このモニタだけを見ている限り発色に違和感ありませんが、
寧ろ凡庸な感じです。そこは光沢液晶には敵いません。

ホームノートに丁度良い14~16型でフルHD非光沢液晶といえば今の所、
ThinkPadの他には

・VAIO SE(少なくとも写り込みはありません。以下、SEと記述)
・VAIO F 3D(16型。以下、F 3Dと記述)
・レッツノート B10(15.6型。以下、B10と記述)

があります。液晶を非光沢にする一般的な狙いは

情報収集や事務作業などで目が疲れ難い
印刷用画像を表示した場合の色再現性を高める

といった所にあるのですが、4機種共に輝度抑えて使用できるものの、
F 3Dの画面には少々ギラツキがありますので、
白背景との格闘を余儀なくされるWEB閲覧においては、
T520 フルHD、SE、B10の様にはを達成できてません。

印刷用ではAdobeRGBカバー率が重要になりますが、
比較的発色に拘ったF 3Dでさえ、
T520 フルHDのカバー率には及ばず、でもT520が頭1つ抜けてます。
(ただしT520 フルHDが謳う「95%」とはAdobeRGBカバー率の事ではなさそうです)

画面視野角はT520 フルHDやB10でもノートPCとして充分ですから、
F 3Dは、動きの激しい動画や3D立体視といった、
ノートにはニッチな需要に特化したスペシャリストと言えます。

SEは色味と視野角に優れるIPS液晶を14~16型で唯一搭載し、
実際、ギラツキや粒状感も無い良質な液晶なのですが、
何せディスプレイを135度開くとほぼ完全に排気口が塞がる訳ですから、
これをお勧めする方が居られるとしたら人格を疑います。

B10はT520より軽いのがウリですが、
堅牢性を犠牲にしてまで(落下試験たった30cm、キーボード防滴無し)
優先すべき項目じゃありませんし、15型というサイズにあって拡張性が低い
(IEEE1394も拡張カードスロットも無し。Bluetoothも直販モデルだけ)
のも気になります。(秋冬モデルからUSB 3.0は付きました。)

B10は歴代レッツノートでは珍しく、液晶もキーボードも普通に使える機種ですが、
低価格モバイルの登場で1人がPCを1台しか所有しない時代が終わってしまった以上、
筐体サイズに見合った、より一層の取捨選択が望まれます。

フルHD非光沢で綺麗液晶なノートには、圧倒的な表示品質を誇る
hp EliteBook 8760w DreamColor(17.3型)がありますから現状は、
普及価格でユーザー同士の情報交換に困らないT520との2択になるでしょう。

T520におけるグラフィックの選択ですが、
安定動作重視なら「インテル HD グラフィックス 3000」を、
CADやマルチモニタ用途があるなら
「NVIDIA NVS 4200M Optimus グラフィックス(1GB)」を選びましょう。

〔省電力時のNVIDIAオフを謳う「Optimus」ですが、
  完全に無効にするにはBIOSレベルでの設定が必要です。〕

T520はDVDドライブの代わりにセカンドHDDを搭載できますし、
付属ソフトで自動バックアップ出来ますからデータ保存用としても抜かりありません!

拡張性では、
ノートでは今や小数派となってしまったIEEE1394端子がありますから、
ビデオカメラとの接続に重宝します。
USB 3.0こそ付いてませんが、それもExpressカード/34で対応できます。

直販カスタマイズで高速な「ワイヤレスLAN アダプター」を選択できるのも魅力です。
快適性を犠牲にしてまで数千円ケチるモデルじゃありませんから、
WiMAX以外ならぜひ「インテル Centrino Ultimate-N 6300」を選んで下さい。
(ただし速度を最大限発揮するには対応ルータが必要です。)